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星ふる夜に

観劇の感想とか。過去の観劇も文章まとめ直して投稿したりしてます。

感想:ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~

生で刀ミュを観るのは初めてでした。かなり素直な気持ちを書いているので、褒めている部分ばかりではない点ご了承ください。ネタバレありです。

 

▼一部の所感

 一部の感想は「つまらなくもおもしろくもないな」って印象。展開が早いから退屈はしないけど、予想通りに進みすぎておもしろくもない。キャラクターのエピソードとかを深く知っていれば、ちょっとした設定やひっかかりに共感して楽しむこともできたのかな。今回の刀ミュの主なターゲット層が「刀剣乱舞を深く楽しんでいる層」ならば、このシナリオも納得だし正解なのかもしれません。実際、一緒に観劇した刀剣乱舞オタクの友達が泣きポイントをすごく説明してくれて。細かい設定を拾いつつ作ってくれているあたりは、原作に対する愛を感じます…。

 

▼「見守り続ける」というシナリオ

 刀剣男士達が実際の人物に成り代わって時代を見守るって、とうらぶの設定的にどうなの??っていう議論は何度かツイッターで目にしたこともあるので、そのあたりは割愛。純粋に「見守り続ける」というシナリオから感じたことを書いていきたいなと思っています。

 良かったな、って思った点は、冒頭にも書いたように展開が早いところ。徳川2代分の成長を描くので、あっというまに少年から青年になり大人になる。次々に場面が切り替わるので、飽きさせない作りになっているなぁって思います。スピード感がある。

 逆に、個人的にあまり好きではなかった部分は、ただ物事がすぎていってしまうこと。良い部分の裏返しかもしれないんですけど、時の流れが早くなった分「こういうことがありました!」っていう結果の連続になってしまっている印象をうけました。キャラクターが持つ感情の機微よりも、ストーリーの進行を重視した作りになっていたので「これって刀剣男士である必要あったのかな?」って感じ。物語の中で描かれてはいたけど「実際の歴史に抗いたい気持ちがあるけれど、でも歴史をそのままの形で継承しなきゃいけないという二律背反」の感情をもっと掘り下げていたら、その分心の振れ幅も大きくなっておもしろさも出たのかなぁって感じました。でも、

 

千子村正

 太田さん、あのクセの強そうなキャラクターをどう表現するんだろう…って気になっていたんですけど、純粋にすごいなって思いました。村正が話して、喋るのを観た時、村正がただそこにいるだけで感動した。この感動は一体何からくるものなんだろうって考えると、きっとそれは違和感なく「千子村正」というキャラクターがその場に生きていたことに対する感情だったのかなと思います。これってすごいことだなって。普通を表現することは難しいとよく言うけど、ぶっ飛んだキャラクターを現実に表現するのも難しい。ぶっ飛んだ表現をするということで、つい演技がかってしまう面があると個人的には感じます。でも、太田さんの千子村正は村正としてその場を生きていて、それを違和感なく感じることができました。だから私は、千子村正というキャラクターに対する思い入れをあまり持ち合わせていない状態でも、村正がただそこに「自然に」存在していることそれ自体に感動したんだと今になって思います。あとは即物的な話ですが衣装がぎりぎりな感じでとても良かったです。笑

 

▼二部の感想

 いやこれとんでもないコンテンツだ。

 二部になった途端、客席の雰囲気もステージの雰囲気もガラリと変わって。最初、黒のロングコートみたいな衣装をまとって刀剣男士が出てくるんですけど、滅茶苦茶かっこよくて衝撃をうけました。もともと私はイケメンが歌って踊るのを見ることがすごく好きなんですけど、そこにキャラクターという属性が追加されることによって思い入れもできて、余計楽しかったです。大倶梨伽羅、リアルMMDMMDモデルの大倶梨伽羅さんが踊っているかのようなビジュアルの完成度でした。刀ミュすごいな。一部と二部の温度差の違いにびっくりしつつも、そんなところも刀ミュの魅力なんだろうと思いました。一部が悲しくて辛いお話でも、二部のステージでその気持ちを払拭して幸せな気持ちになってもらう。ミュージカルとはいいつつ二部は完全にアイドルのそれだったのもあり、なぜ刀剣男士を「アイドル化」したのかについては少し疑問が残ります。でも、歌にあわせてペンライトをふって応援するのはとっても楽しくて。その楽しい体験を作り出したかったってことだけで十分なのかなぁ。好きなキャラクターからファンサもらえたらすっごい嬉しいし。